2011年5月19日木曜日

海外の事例(カッセル)



•ドクメンタ12(documenta12)

期間 2007.06.16-09.23 

会場 カッセル市内各所



ドイツの工業都市カッセルで4-5年ごとに行なわれる世界最大規模の現代美術のグループ展。1955年から始まり、現在までに12回開催されている。この小さな都市にドクメンタ開催中の100日間には世界中から70万人もの観客が集まる。


第2次世界大戦後、本来ドイツは芸術面で非常に貢献度の高い国だったが、ナチス独裁により国際的なアートの潮流から遠ざかってしまっていた。ドイツの人々が再び現代の名作に触れられるように、近現代の傑作品を集めた展覧会が、当時在住の美術家、建築家、牧師でもあったアーノルド・ボーデによって開催された。その後テーマを変えて約5年ごとに開催されるようになる。5回目以降は、毎回異なるディレクターを任命し、開催ごとにテーマ、運営を変えることで、常に斬新な前衛的イベントにさせた。


ドクメンタ12ではテーマとなった3つの問いかけ「我々にとって近代美術は過去の文化か?」「むきだしの生とは何か?」「そして、何をすべきか?」について、世界各地で発行されている美術雑誌とネットワークを組み、それぞれが地域性を持った記事を作成した後、ディスカッションでお互いにシェアし合った。こうして展覧会が始まる前から活発な議論が行なわれた。さらに記事を抜粋して再編集されたドクメンタ・マガジンが発行された。また、カッセル市民による審議会を立ち上げ、彼らに計画・実施の相当部分を任せ、自発的に関わってもらうことで展覧会を訪れる市民の数も増えている。これらのドクメンタ・マガジンや審議会は展覧会終了後も活動を続けており、今後の持続の可能性が期待される。


アートガイドやレクチャー、映画などアート教育プログラムが豊富。大人にも子供にも適したプログラムが充実しているため、会場には親子連れも多い。



ドクメンタ(13)



山中

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