2011年7月14日木曜日

ボード用の文章の作成

散策するアートセンター

建物の総床面積は500㎡で、個々の部屋の床面積は
アートを発信するためのギャラリーが150㎡、それとは別に小ギャラリーが50㎡あり、
喫茶店と資料室の面積が100㎡、団地の住人が利用できる集会場が50㎡、事務室と倉庫が150㎡になります。

また、それらの使用目的に明確な区切りは付けずに、開放的な集会場や人が集まってくる喫茶店で展示をしたり、
ギャラリーを集会に利用することもできます。その多種多様なイベントに対応できるように倉庫や事務室には
機材や備品を用意しておきます。
そして事務室に常駐しているのは学芸員の人たちで、このアートセンターでは展示を行うアーティストの事だけでなく、
団地に住んでいる人にも対応し、展覧会以外のイベント、
コンサート、結婚式や葬式、提携大学との交流講座などのイベントも行います。
それは一般の美術館の学芸員とは違い、常に様々なものと出会いながら経験を積むことができます。

部屋のまとりは

ギャラリーは横長に広いホワイトキューブで展示空間として最も使い易いものになっていて、
入り口が東側の道路の側にあるため搬出と搬入を行い易く、直接中央まで車を乗り入れて、中央に面したドアまで
車をつけることが出来ます。

小ギャラリーは外界と完全に隔離しなければならない展示を行う部屋であり、
光や影を用いた作品や映像を行うための部屋になり、集会場として用いるときには映画館としても機能します。

集会場 は壁が介入してくる側はガラス面で、ギャラリーとは対照的に開放的で、
それでいて空間に壁面が介入してくる事で、丸見えではない空間になっています。
また、集会場の外に出るとウッドデッキがあり、このウッドデッキにより喫茶店との関わりを持ってきます。

喫茶店と資料室は多くの人が訪れる事を想定して、動線を想定した弧の形に沿って、ウッドデッキが広がります。
このウッドデッキの上では多くのイベント、アートプロジェクトが催されることになり、中央で様々な集まりが
行われるときの客席として用いられます。
また、ウッドデッキは公園側にも広がっているので、団地内を散歩する人をアートセンターに呼び込んだり、
公園でイベントを行うときには、同じように客席として用いることが考えられます。

そして、建物に介入してくる壁面は、この東集会場に繋がる二つの動線をイメージして形成しました。
動線は元々の東集会場の入り口から、道の先にある公園や松林、団地と団地の隙間の道から
繋がってくるイメージとしてデザインしました。

弧の形の壁面は遠くからアートセンターを見たときに、人を引き込むような隙間をとして見えてきます。
団地は太陽の日差しに沿って建てられているので、横長の道が出来ます。
その道を取り入れるようにして建っている東集会所に、この団地に無い弧の壁面が入ってくることにより、
日常 の空間とは別の空間として展開されていく合図になります。

それだけでなく、弧の壁面は団地内にある公園や松林などの空間を繋ぐ動線を介入させています。
この動線は団地と団地の隙間を通る道で、団地内の公園を繋ぐ道です。
この道が東集会場から広がっていく事は日常的に利用される公園にアートプロジェクトを展開できる要因になるとともに
一つ一つの公園に作品という個性がつくことで、人が団地に訪れ散策する理由にもなるのです。

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